世界的に見た葬儀の費用

日本国内で葬儀を営むということになると、一回当たり数十万円、百万円以上の費用がかかることも珍しくありません。そうした費用負担は非常に重いものとされるのですが、実はこれは世界共通のことではありません。日本という国で行われる葬儀の費用は、世界的に見ても高額なのです。では世界的に見た葬儀の費用としてはどれくらいになるのかというと、2010年ごろに発行された「葬儀は、いらない」という書籍ではイギリスが平均12万円ほど、ドイツが平均20万円ほどとされています。

これらは先進国というくくりの中ではかなり少額な部類です。それに次いで安く済むのが韓国で、韓国の場合は平均37万円ほど、続くアメリカでは44万円ほどというデータが出ています。では我が国日本はどうなのかというと、アメリカから大きく増えて実に平均231万円というデータが出ました。こうした数値を見ると「他国ではそこまで綺麗な葬儀を行わないのだろう」というような声が上がることもありますが、実際にはそうでもありません。

例えば日本の5分の1以下の費用で済むアメリカでは棺が豪華な物が多いことやエンバーミング、死後の保存処理がかなり高度に行われています。棺については日本も同様ですし、エンバーミングは日本で言う死化粧にあたるでしょう。日本の費用の高額さの背景には各業者がかなり高額な費用を請求することなどが原因にあるとされており、最近ではそうした高額なものに対する批判が集中するようになりました。そうした影響もあって家族葬やお別れ会などが営まれるようになったのですが、今後日本という国でどのような変化が起きていくかは注意深く見守る必要があるでしょう。